「予約したつもりが、できてなかった」を避けるLINE予約テスト
LINEで予約を受けられるようにすると、お店側はかなり楽になる。
お客さんは、いつものLINEで問い合わせできる。お店は、電話やDMのやりとりを減らせる。イベント名、人数、名前、電話番号を順番に聞いて、最後に予約として残せればいい。
ただ、ここで一番怖いのは「動かないこと」ではなかった。
本当に怖いのは、お客さんが予約できたと思っているのに、実際には予約台帳に入っていないことだった。
LINEの会話が進むだけでは、予約完了とは言えない
LINE予約を作るとき、最初に見たくなるのは会話の流れだ。
イベントを選べるか。人数を聞けるか。名前を聞けるか。電話番号を聞けるか。最後に「予約を受け付けました」と返せるか。
ここまで動くと、なんとなく完成したように見える。
でも、会話が進むことと、予約が本当に入ることは別である。
予約で大事なのは、最後に台帳へ書き込めているかだ。台帳というのは、たとえばスプレッドシートや予約管理用のデータである。そこに記録されてはじめて、お店側があとから確認できる。
もしLINEだけが「予約完了」と返して、裏側の台帳への書き込みに失敗していたら、お客さんは予約したつもりで来てしまう。お店側には記録がない。これはかなり困る。
だから、LINE予約のテストでは「返事が来るか」だけを見てはいけない。
テストは4つに分けたほうがいい
今回わかったのは、LINE予約の確認はひとまとめにしないほうがいい、ということだった。
少なくとも、次の4つに分けて見る。
- 部品テスト: LINEの会話が順番に進むか
- 結合テスト: 本物の予約APIと台帳につながるか
- 本番手前テスト: 実際のイベント情報と残席で試すか
- 運用監視: 公開後に予約失敗や台帳漏れが起きていないか
部品テストでは、LINEの返事や画面の流れを見る。ここでは偽物の予約APIを使ってもよい。まず会話の順番が壊れていないかを確認するためだ。
でも、偽物APIで動いたからといって、本物のスプレッドシート連携まで保証されたわけではない。
本物の台帳へ書き込むところは、結合テストで見る必要がある。ここを分けておかないと、「ローカルでは動いた」が「本番でも予約できる」と誤解されやすい。
残席不足は、最後だけでなく途中でも止めたい
もうひとつ大事だったのが、残席の扱いだ。
たとえば、残り1席のイベントに2名で申し込もうとした場合。最後の確定時に「残席が足りません」と止めるだけでも、最低限の事故は防げる。
でも、お客さんの体験としては少し遅い。
人数を選ぶ時点で、残り1席なら1名までしか選べないようにしたほうが親切だ。手入力で2名と送られた場合も、その時点で「残り1席のため、2名では予約できません」と返す。
つまり、残席チェックは一度だけではなく、複数の場所で見る。
- 候補表示の時点で、満席のイベントを出さない
- 人数入力の時点で、残席を超える人数を止める
- 最後の確定時にも、最新の残席でもう一度確認する
最後の確認だけに頼ると、お客さんは途中まで進んでから断られる。早めに止められるところは、早めに止めたほうがいい。
実際のテストでも、残席2名の公演に4名で進もうとしたときは、予約完了にせず、理由を返して受付中の候補を出し直す流れを確認した。

台帳に書けた後だけ「予約完了」と返す
LINE予約で一番大事なルールは、これだと思う。
台帳に書き込めた後だけ、予約完了と返す。
スプレッドシートが落ちている。権限が切れている。予約APIが失敗した。残席が足りない。こういうときに、LINEが先に「予約できました」と言ってはいけない。
失敗したら、失敗として返す。
お客さんに見せる文面はやさしくていい。「申し訳ありません、予約を確定できませんでした。お店へ直接お問い合わせください」のような言い方でいい。
でも、内部の扱いとしてははっきり分ける。
- 台帳に書けた: 予約完了
- 台帳に書けない: 予約未完了
- 残席不足: 予約未完了
- 台帳の確認ができない: 予約未完了
ここを曖昧にすると、「お客さんは予約したつもり、お店は受けていない」という一番避けたい状態になる。
「動いた」の意味を分けておく
AIで実装すると、画面や会話の流れはかなり早く作れる。
だからこそ、「動いた」という言葉を分けておいたほうがいい。
LINEの返事が動いた。これは会話の確認。
予約APIが動いた。これは裏側の処理の確認。
台帳に書けた。これは予約記録の確認。
満席や残席不足で止まった。これは事故防止の確認。
公開後に失敗が出ていない。これは運用の確認。
全部をまとめて「動いた」と呼ぶと、見落としが起きる。
LINE予約は、お客さんがその場で返事を信じる仕組みである。だから、見た目の会話よりも、予約として本当に成立しているかを大事にしたい。
「予約したつもりが、できてなかった」を避ける。
そのためのテストは、会話の確認だけでは足りない。残席、台帳、失敗時の返事まで見て、はじめて安心して出せる。