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つくったもの

ちらし作るくんを、イベント運営の実用品まで育てた

2026-06-29 ・ 著: Currents編集部

「ちらし作るくん」は、最初はかなり小さな道具だった。

イベント名、日時、会場、出演者を入れる。すると、告知用の画像が出る。印刷にもSNSにも使える。そこまでできれば、ひとまず十分だと思っていた。

もちろん、最終的に大事な告知物は、デザイナーがきちんと整えたほうがいい。そこを軽く見たいわけではない。ちらし作るくんでやりたいのは、その前の段階で「いったん見える形」を早く出すことだ。文字だけで相談するより、仮でも紙面があるほうが、何を目立たせたいのか、どこが足りないのかを合わせやすい。

ただ、実際にイベント運営の現場で使ってみると、チラシ作りで面倒なのは「画像を1枚作ること」だけではなかった。

毎回、次回公演の情報を目立たせたい。日付は大きく見せたい。QRコードは必要だが、主役になりすぎると紙面が弱くなる。SNS用に出す画像と、印刷して置いておくチラシでは、必要な見え方が少し違う。公演が切り替わったら、同じ型のまま中身だけ素早く差し替えたい。

つまり、必要だったのは「チラシを完成させるボタン」ではなく、イベント告知の制作まわりを崩さず回すための小さな基盤だった。

1枚作れるだけでは、現場では足りなかった

小さなイベントほど、告知物の制作は後回しになりやすい。

内容は決まっている。日程も会場も決まっている。けれど、いざ外に出す段階になると、タイトルの見せ方、日時の大きさ、QRコードの位置、画像の比率、保存形式で手が止まる。

ひとつひとつは大きな作業ではない。でも、毎回発生する。しかも本番前は、出演者への連絡、会場準備、予約対応、当日の段取りも同時に走っている。チラシだけに半日使える現場ばかりではない。

最初のちらし作るくんは、ここに対して「入力したら画像が出る」という解決を置いた。これはたしかに効いた。ゼロからデザインソフトを開くより、ずっと早い。

でも運用していくと、もう少し深い面倒が見えてきた。

このあたりまで整って、ようやく「現場で何度も使える道具」になる。

次回公演、QR、保存形式までまとめて扱う

今回の強化で、ちらし作るくんはかなり実用品に近づいた。

大きいのは、次回公演の見せ方をきちんと持たせたことだ。チラシを見る人にとって、まず知りたいのは「いつ、どこで、何があるのか」である。だから日付は大きく、イベント名は迷わず読める位置に置く。細かい説明より先に、開催情報が目に入るようにした。

QRコードも調整した。QRは便利だが、大きすぎるとチラシ全体が「読み物」ではなく「コードの案内」になってしまう。そこで、読み取れるサイズは保ちつつ、主役になりすぎない大きさへ寄せた。予約や詳細ページへつながる導線は残しながら、紙面の印象は崩さないためだ。

保存形式も見直した。画像として出すだけでなく、SVGで保存できるようにした。SVGは、あとから文字や配置を調整しやすい形式である。完全に作り直すほどではないが、少しだけ直したい場面に向いている。

さらに、公演切り替えの挙動も直した。複数のイベントを扱うとき、前の公演情報が残ったり、表示だけ古いままになったりすると危ない。イベント告知では、日付や会場の間違いがそのまま問い合わせや混乱につながる。だから、切り替えたら必要な情報がきちんと入れ替わることは、見た目以上に大事だった。

画面では、左側に入力とAI補助、右側に完成プレビューが並ぶ。公演を選ぶ、雰囲気を整える、必要項目を入れる、チラシに反映する、という流れがひとつの画面で終わる。

さらに、イラストもNANOBANANAで生成できるようにした。ここが入ると、たたき台の意味が少し変わる。文字情報だけを並べた仮チラシではなく、「この公演は秋っぽい」「近い距離の小さな会場」「音の響きがやわらかい」といった雰囲気まで、最初の相談材料にできる。

NANOBANANAで生成した秋のコンサート向けイラストを入れた、ちらし作るくんのプレビュー画面。
NANOBANANAで生成した秋のコンサート向けイラストを入れた、ちらし作るくんのプレビュー画面。

こうした調整を積み重ねると、道具の性格が変わる。

単に「早く作れる」だけではなく、「毎回だいたい同じ品質で、必要な形式まで出せる」ものになる。小さな現場に必要なのは、完成品を一発で出す魔法より、まず共有できる形にして動き出せることだったりする。

告知物の制作を、毎回の悩みから外す

ちらし作るくんが便利なのは、デザインの知識がなくてもそれっぽいものが作れるから、だけではない。

本当に効くのは、告知物を作るたびに考えていた細かい判断を、かなり減らせることだ。

どの情報を大きくするか。QRはどこに置くか。SNS用に何を書き出すか。印刷用に何を残すか。前回のデータを探すか、新しく作るか。こういう判断は、ひとつずつは小さい。でもイベントが続くと、地味に消耗する。

そこで、型を決めておく。

イベント情報はここに入れる。次回公演はこの位置に出す。日付は大きく出す。QRはこの大きさにする。必要な画像と保存形式はまとめて出す。そうしておけば、作るたびに悩まなくていい。

これは「デザインを雑にする」という話ではない。むしろ逆で、毎回の迷いを減らすことで、初動の見え方を安定させるための仕組みである。

ちゃんと作り込む必要があるものは、そのあとイラレで整えればいい。デザイナーに頼むなら、仮の紙面があることで「この情報を強くしたい」「写真はこの方向がいい」「QRはここでは大きすぎる」といった話もしやすくなる。白紙から相談するより、最初のたたき台があるほうが、制作の精度も上げやすい。

小さなお店や教室、音楽会、ワークショップでは、告知物は一度きりでは終わらない。季節のイベント、次回公演、新メニュー、体験会、臨時営業のお知らせ。何度も出す。だからこそ、1回だけきれいに作れることより、何度も無理なく出せることのほうが効いてくる。

「作る人がいない」を道具で補う

小さな現場では、デザイナー、広報、予約担当、当日の運営が同じ人になることが多い。

だから、告知物作りを毎回がんばる設計にすると続かない。最初は気合いでできても、忙しい週には止まる。止まると告知が遅れる。告知が遅れると、予約や来場にも響く。

ちらし作るくんでやりたいのは、そこを少しだけ変えることだ。

プロの制作物を置き換える道具ではない。毎回ゼロから作るほどではない告知物を、現場の人が自分で出せるようにする道具であり、必要なら本制作へ渡す前のたたき台にもなる。必要な情報を入れたら、見せ方が崩れず、SNSにも紙にも回せる。あとから直す余地もある。

ここまでできると、チラシ作りは「特別な制作作業」ではなく、「イベント情報を更新する作業」に近づく。

これはかなり大きい。

作る人がいないから告知が遅れる、という状態を少し減らせる。デザインソフトを開く前に気が重くなる感じも減らせる。公演が増えても、毎回同じ段取りで出せる。

ちらし作るくんは、そういう方向に育ってきた。

最初の「1分でチラシが出る」から、次は「小さなイベント運営の告知物を、継続して出せる」に進んでいる。派手な話ではないが、現場ではこの差がかなり大きい。

この記事は、作業ログと現場メモをもとにCurrentsのAI社員が下書きし、編集部が確認して公開しています。
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